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コピー機が人気の理由

ジャスダックに上場するころから、Fでは子会社を次々と設立してグループ経営を実践するようになりました。 そして創業当時から在籍している優秀な役員たちには、そうした子会社のトップになってもらったんです。
子会社を設立するというのは起業に非常に近く、ゼロから有を生み出さなければならない。 そうした能力は、猪突猛進型の創業メンバーには最も得意とするところだからです。
適材適所を考えれば、創業メンバーに子会社のトップで頑張ってもらい、それとは別に新たな経営メンバーを採用して本社の役員になってもらうというのが、最高の適材適所だと思いました。 会社が大きくなると、組織としての総合力の勝負になってくるということですね。
創業時にはそうした対人的、組織的な能力はあまり必要ではなくて、もっと猪突猛進型に数字を追いかけ、自分のスキルを最高に発揮できる能力が必要となります。 しかし会社の大きさが一定規模を越えると、今度は経営戦略や人事、営業などの各部門に分業し、それぞれの組織でトップの思いを現場のスタッフたちに浸透させられるような能力が大切になっていきます。
ひとりのスーパースターではなく、チームのパフォーマンスをどれだけ出せるかが問題になってきます。 大企業などから転職した人材を登用されているのでしょうか。
たとえば経営戦略担当の役員には、もともとM総研にいた裕が就任しています。 また人事のトップはI商事出身、IRのトップは東武鉄道出身者など、幹部のうち五、六人は大企業出身者が占めています。
基本的には対外折衝の多い部署に、そうした大企業出身者が就いていることが多いようです。 そうした方々と実際に仕事をしてみて、どのような感想を持たれましたか。
非常に優秀、有能な人が多いですね。 Fにはこれまでいなかったタイプの人たちで、創業メンバーの中にも彼らが入ってきたことによって非常に刺激を受けて、頑張っている人間もいます。

その一方で企業の成長に追いつけなくて、脱落していった者もいたのは残念なことなのですが。 会社の器に従って、求められる人材の器も変わってくるということでしょうか。
そういう部分は多少なりともあるでしょうね。 でも成長に合わせて人間の能力も上がつていきますからね。
かりに時期尚早と思われでも、本人の能力の一二O%ぐらいが必要な仕事を渡すことが必要なんです。 それで潰れてしまう人間もいますが、たいていの人間はその要求に応えようと頑張るので、潜在能力が引き出されていく。
人間は誰でも潜在能力と顕在能力の聞にギャップがあるのですが、そのギャップをいかに小さくして、潜在能力を引き出していくかが大事なんです。 大企業の人材はもともとは優秀でも、自分の意志で仕事をできないというか、指示待ちになってしまう人が多いようにも思えます。
大企業にはそういう人もたくさんいるのでしょうが、そうではない人もたくさんいます。 採用する側として難しいのは、そうではない人をどう選別するかということですね。
潜在的能力を見るためには、面接で見抜くしかないのでしょうか。 そうですね。
わが社では幹部を登用する場合には、僕が採用までに五回、六回は会うようにしています。 会社の応接室だけでなく、社外で会ったり、あるいは一緒に食事をしたりして、いろんな場でその人の本質を知ろうとしています。

潜在的な能力が高ければ、大企業で評価されていなくても、ベンチャーに転職してかう初めて成功する人もいるということですね。 そういう人はたくさんいると思います。
環境が人を変えますからね。 本人に合った環境にめぐり会えるかどうかが、潜在能力を引き出せるかどうかのカギになると思います。
幹部候補はいつも募集されているのでしょうか。 機会がある限り、そうした人たちと会うようにしています。
経営トップの仕事の三分の一は、採用なんです。 優秀な人材を採用する仕事というのは、トップでなければできない。
ちなみにトップの仕事のもう三分の一はIR、残り三分の一は社内コミュニケーションですね。 この三つの仕事が、トップの仕事の三本柱となっています。
大企業の場合は、社内コミュニケーションの仕事の比重が高いケ−スが多いようですね。 大企業は根回しや派閥など、社内コミュニケーションを行わないと社長にはなれないですからね。
ベンチャー企業の場合はゼロから会社をスタートさせ、会社の成長によって自分のステージをも高めていくことができます。 しかし大企業では会社の成長と自分の昇進昇格とはまったく別の次元の話で、会社の成長を真剣に考えなくとも、社内コミュニケーションに長けていれば、順調に出世を続けることができ、やがては社長になることもできます。

社内コミュニケーションに長けているだけでは、ベンチャーでは仕事はできないかもしれないですね。 大企業の中にも、そういう派閥だとか根回しなどにあまり興味のない方々がたくさんいると思います。
そういったことは得意じゃないけれども、本来の潜在能力が高くて力のある人がたくさん埋もれている。 そういう人たちがわれわれのような会社に来ると、それは本当にみなさん生き返りますよ。
私の仕事は、ビジョンメイキングです。 会社・グループがどうあるべきかという姿を明示し、そこに到達するまでの考え方、理念を明確にしていくことです。
そのビジョンに基づいて戦略、戦術をどう練るかというのは、経営メンバーの仕事です。 Fはジャスダツク上場後、人材戦略の転換とともにそうした役割分担ができてきたのでしょうか。
そうです。 最初は私が具体的な戦略のすべてを考えていました。
しかし私はオーナー経営者ですから、私が具体的な戦略を経営会議や役員会などで提案してしまうと、「社長の提案ありき」で私の提案がすべてのベ−スになってしまうのです。 僕の提案がよりどころになってしまうんですね。
それでは新たな発想は生まれませんし、組織も伸びません。 そこでまず経営メンバーにベ−ス案を作ってもらい、それに対して経営トップが自分の考え方、色合いを加えていくという方法に変えて行っています。
それに優秀な人だったら、本当にいい提案を出してきますよ。 僕の方がかえって目から鱗が落ち、「ああ、そういう考えもあったのか!」と驚かされることは少なくありません。
経営トップがスーパーマンになってしまってはいけないというととでしょうか。 小さな組織のうちはスーパーマンで何でもやってしまってもいいのですが、それをやり続けていると、組織は大きくなれません。
そもそも世の中には、僕よりも優秀な人がはるかに多いんです。 だから自分よりも優秀な人をいかに使うか、そういう人が働きたくなるような、いたくなるような会社にできるかどうかの方が大切なのです。

それはどうすれば実現できるのですか。 それは人事制度だったり、会社の成長性だったり、あるいは組織の魅力やトップの魅力だと思います。
優秀な人がいたくなるような会社になってくると、自然とさまざまなことが変わってきます。 優秀な人が集まってくれば、社外の人から見ても、「こういう人たちと一緒に仕事ができるのなら、自分も切薩琢磨できる」と思うようになり、さらに優秀な人材が集まってくるという良循環になってくると思います。

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